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親密で見慣れた日常の中で不意に何かが目に留まる。木の幹の微妙な曲線、風になびく洗濯物の変わり続けるかたち、灯りの中で置物のように見える人。それらは私の頭の中にないものばかりで面白い。私はきっかけをもらって描き始める。そのままでも十分素晴らしいのに、絵にしたらどうなるのか見てみたくてわざわざ変換する。身体を通過して絵具とキャンバスという物質に変わったそれらはかつての面影を残しながらも、独自の秩序を持って自立し、新しい風景となって目の前に現れる。その過程と結果は初めにきっかけをもらった時と負けず劣らず面白い。
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