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​個展

Lítil sýning

2026.3.21(sat.) - 22(sun.)

15:00 - 17:00

Sæborg

Hrísey(フリセイ), Iceland(アイスランド)

 令和7度ポーラ美術振興財団在外研修員として、2025年9月〜2026年3月の約7ヵ月間、アイスランドにて滞在制作を行いました。

​アイスランド北部に位置する離島"Hrísey"(フリセイ)にある、アーティストインレジデンス「GAMLI SKÓLI / Old School Art House」に滞在し、作った作品群を島の共有スペース”Sæborg”にて個展という形で発表しました。

また個展内で、同時期にレジデンスで知り合ったアーティストLeah M. Bowieとのコラボレーション作品も展示しました。

​彼女との作品はこちらのリンクからチェックできます。

 私はここフリセイで約7ヶ月もの日々を過ごしました。秋に来て春に帰るのでまるまる一冬です。長かったような短かったような…しかし今までの私の人生の中で最も贅沢な時間で、そして大きなターニングポイントにもなりました。

 

初めてここに来た日、私は寝る前にオールドスクールのベッドで天井を見つめながら一人絶望していました。”とんでもなく不便で遠いところに来てしまったかもしれない”“確かに環境を変えたくてここに来た。でも本当にやっていけるだろうか?”と。しかし不安な気持ちとは裏腹に、このフリセイの環境は自分でも驚くほど制作に良い影響を与えました。広大な景色の中を歩くことは私の心をポジティブにしました。住民の方々は笑顔と共に私にここに居る安心感を与えてくれました。初めて経験する暗い冬は”光”と”時間”というものを絵の中で私により意識させました。不便だと思っていた環境は私の生活をとてもシンプルなものに変え、日本でくだらない価値観や情報で埋め尽くされていた私の脳をリセットしてくれました。

不思議なことに、日本でうまくいかなかったアイデアがここでは機能し、1ヶ月と経たないうちに私は次々と作品を作れるようになりました。本格的に絵を初めて約20年が経ち、ここ数年日本でうっすらとしたスランプに陥っていた私をフリセイの生活はいとも簡単に救いだしてくれたのです。

展示してある絵は全てここに来てから描いたものです。分かりやすく景色が描かれているものもあれば、ほとんど抽象画のようなものもあります。しかしこれらは全て風景画です。景色、風、空気、温度、光、匂い、時間の流れ…見えるものも見えないものも、私が実際に経験したものが私自身の身体を通して絵具という物質に変化し、それぞれの絵の秩序の中で再構築された新しい風景です。

私はいつも作品にメッセージやストーリーを込めません。理由や意味が無くてもこの世に存在することが自然だと感じられるような物を作れたら嬉しい。私の作品は単なる絵画でしかなく、それ以上でもそれ以下でもありませんが、それで十分なものであってほしいといつも願っています。

 

ここでの経験は私に本当に大きな進歩を与えてくれました。日本に帰ってもそれらが大いに私の仕事を助けてくれると確信しています。

本当にここに来られて良かった。アイスランド語どころか英語もろくにできない私をいろんな人が助けてくれました。

ありがとう皆さん。ありがとうフリセイ。この展示が少しでもお礼になりますように。

 

小穴琴恵

​展示ステートメントより

​撮影:光永 惇

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